電路の絶縁 電路、機器の絶縁耐力 電験三種 法規
2023/02/20
高圧、特別高圧の電路では、変圧器、遮断器、電動機、整流器などの電気機器に対し、一定の電圧を10分間加える絶縁耐力試験をする必要があります。試験をし、絶縁破壊が起きなければ使用できます。
電験三種(法規)試験に対応できるように理解しやすく書いている記事です。
電気設備技術基準(電技)第5条
電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
このように規定されています。
解釈の規定で、電路の一部を接地する接地点や電炉の一部を大地から絶縁しないで使用せざるを得ないもの、機器の構造上で絶縁が困難なものについては、例外で設置が認められています。
低圧の電路の場合は絶縁抵抗の大きさで、高圧・特別高圧の電路の場合は絶縁耐力試験で絶縁を判定します。

低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の2000分の1を超えないようにしなければならない。
【最大供給電流$I_m$[A]の求め方】
変圧器の容量をP[VA]、線間電圧(低圧側)をV [V]とすると
単相2線式変圧器の場合
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{V }$ [A]
単相3線式変圧器の場合
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{2V }$ [A]
三相変圧器
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{\sqrt{ 3}V }$ [A]
この計算で求めた最大供給電流の2000分の1以下にしなければいけません。
高圧・特別高圧電路の耐圧試験電圧

電力ケーブルでは対地静電容量が大きくなり、交流での試験が困難になるため、直流での試験が認められています。直流耐圧試験の場合は、試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加えて、耐えればいいです。
回転機、整流器、変圧器などの絶縁耐力についても確認しておく必要があります。



電験三種の過去問題(電気技術者試験センター作成)を解くことで、理解しているかどうか確かめましょう。
(1) 最大使用電圧の 1.1倍である 25,300[V]の電圧を連続して1分間加える。
(2) 最大使用電圧の 1.25倍である 28,750[V]の電圧を連続して1分間加える。
(3) 最大使用電圧の 1.25倍である 28,750[V]の電圧を連続して10分間加える。
(4) 最大使用電圧の 1.5倍である 34,500[V]の電圧を連続して1分間加える。
(5) 最大使用電圧の 1.5倍である 34,500[V]の電圧を連続して10分間加える。
答えは (3)
低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、( ア )に対する漏えい電流が( イ )の( ウ )分の1を超えないようにしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に記入する語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは 次のうちどれか。

答えは (1)
電気使用場所における使用電圧が低圧電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は( ア )で区切ることのできる電路ごとに、次に揚げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ次に揚げる値以上でなければならない。
a. 電路の使用電圧の区分が( イ )[V]以下で対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が 150[V]以下の場合の絶縁抵抗値は( ウ )[MΩ]以上でなければならない。
b. 電路の使用電圧が( イ )[V]以下で、上記 a. 以外の場合の絶縁抵抗値は、( エ )[MΩ]以上でなければならない。
上記の記述の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組合せたのは次のうちどれか。

電気使用場所における使用電圧が低圧電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は( 過電流遮断器 )で区切ることのできる電路ごとに、次に揚げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ次に揚げる値以上でなければならない。
a. 電路の使用電圧の区分が( 300 )[V]以下で対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が 150[V]以下の場合の絶縁抵抗値は( 0.1 )[MΩ]以上でなければならない。
b. 電路の使用電圧が( 300 )[V]以下で、上記 a. 以外の場合の絶縁抵抗値は、( 0.2 )[MΩ]以上でなければならない。
答えは (1)
電験三種(法規)試験に対応できるように理解しやすく書いている記事です。
こんな人におすすめ
- 低圧電路の絶縁を知りたい
- 絶縁耐力試験について学びたい
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電路の絶縁
電気設備技術基準(電技)第5条
電路は、大地から絶縁しなければならない。ただし、構造上やむを得ない場合であって通常予見される使用形態を考慮し危険のおそれがない場合、又は混触による高電圧の侵入等の異常が発生した際の危険を回避するための接地その他の保安上必要な措置を講ずる場合は、この限りでない。
このように規定されています。
解釈の規定で、電路の一部を接地する接地点や電炉の一部を大地から絶縁しないで使用せざるを得ないもの、機器の構造上で絶縁が困難なものについては、例外で設置が認められています。
低圧の電路の場合は絶縁抵抗の大きさで、高圧・特別高圧の電路の場合は絶縁耐力試験で絶縁を判定します。
絶縁性能
低圧の電路の絶縁抵抗
低圧の電路において、電線と大地および電線相互管の絶縁抵抗は、次表の絶縁抵抗値以上でなければなりません。
低圧の電線路の絶縁抵抗
電技 第22条低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の2000分の1を超えないようにしなければならない。
【最大供給電流$I_m$[A]の求め方】
変圧器の容量をP[VA]、線間電圧(低圧側)をV [V]とすると
単相2線式変圧器の場合
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{V }$ [A]
単相3線式変圧器の場合
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{2V }$ [A]
三相変圧器
$I_m=\displaystyle \frac{ P }{\sqrt{ 3}V }$ [A]
この計算で求めた最大供給電流の2000分の1以下にしなければいけません。
高圧・特別高圧電路の絶縁耐力試験
電路と大地間に一定の電圧を連続して10分間加え、絶縁破壊が起きないかどうかの試験をします。高圧・特別高圧電路の耐圧試験電圧

電力ケーブルでは対地静電容量が大きくなり、交流での試験が困難になるため、直流での試験が認められています。直流耐圧試験の場合は、試験電圧の2倍の直流電圧を10分間加えて、耐えればいいです。
回転機、整流器、変圧器などの絶縁耐力についても確認しておく必要があります。
電験三種 法規 過去問題 電気設備技術基準
電験三種の過去問題(電気技術者試験センター作成)を解くことで、理解しているかどうか確かめましょう。
平成12年(2000年) 法規 問4
「電気設備技術基準の解釈」に基づいて、最大使用電圧 23[kV]の電線路に接続する受電用変圧器の絶縁耐力試験を、最大使用電圧に所定の係数を乗じた試験電圧を印加する方法により行う場合、試験電圧と試験時間に関する記述として、適切なのは次のうちどれか。(1) 最大使用電圧の 1.1倍である 25,300[V]の電圧を連続して1分間加える。
(2) 最大使用電圧の 1.25倍である 28,750[V]の電圧を連続して1分間加える。
(3) 最大使用電圧の 1.25倍である 28,750[V]の電圧を連続して10分間加える。
(4) 最大使用電圧の 1.5倍である 34,500[V]の電圧を連続して1分間加える。
(5) 最大使用電圧の 1.5倍である 34,500[V]の電圧を連続して10分間加える。
平成12年(2000年) 法規 問4 解説
最大使用電圧の1.25倍を連続10分加える。答えは (3)
平成13年(2001年) 法規 問2
「電気設備技術基準」では、電気の供給のための低圧電線路の絶縁性能について、次のように規定している。低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、( ア )に対する漏えい電流が( イ )の( ウ )分の1を超えないようにしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に記入する語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは 次のうちどれか。

平成13年(2001年) 法規 問2 解説
低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、( 使用電圧 )に対する漏えい電流が( 最大供給電流 )の( 2000 )分の1を超えないようにしなければならない。答えは (1)
平成16年(2004年) 法規 問3
次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく電気使用場所における低圧の電路の絶縁性に関する記述である。電気使用場所における使用電圧が低圧電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は( ア )で区切ることのできる電路ごとに、次に揚げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ次に揚げる値以上でなければならない。
a. 電路の使用電圧の区分が( イ )[V]以下で対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が 150[V]以下の場合の絶縁抵抗値は( ウ )[MΩ]以上でなければならない。
b. 電路の使用電圧が( イ )[V]以下で、上記 a. 以外の場合の絶縁抵抗値は、( エ )[MΩ]以上でなければならない。
上記の記述の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組合せたのは次のうちどれか。

平成16年(2004年) 法規 問3 解説
電技 第58条「低圧電路の絶縁抵抗値」の条文です。電気使用場所における使用電圧が低圧電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は、開閉器又は( 過電流遮断器 )で区切ることのできる電路ごとに、次に揚げる電路の使用電圧の区分に応じ、それぞれ次に揚げる値以上でなければならない。
a. 電路の使用電圧の区分が( 300 )[V]以下で対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。)が 150[V]以下の場合の絶縁抵抗値は( 0.1 )[MΩ]以上でなければならない。
b. 電路の使用電圧が( 300 )[V]以下で、上記 a. 以外の場合の絶縁抵抗値は、( 0.2 )[MΩ]以上でなければならない。
答えは (1)